2020年1月13日月曜日

『ムーンライト』を観て感じた生きづらさ

いつからかLGBTという言葉を耳にするようになり、LGBTをテーマにしたコンテンツを目にする機会も増えた。昨年、2019年には『きのう何食べた?』や『おっさんずラブ』など、LGBTを主人公にしたドラマが放送されて好評を博していた。異なる価値観に寛容な社会が求められるようになっていると、テレビやラジオに触れていても肌で感じる。

映画のあらすじ

ムーンライト(字幕版)
(2017-08-16)
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『ムーンライト』は、2016年の映画。アメリカに住む黒人の少年が主人公だ。麻薬中毒の母親を持ち、学校でオカマと罵られて仲間にも馴染めていない少年が、成長していく様子を3つの時代に分けて描いている。

幼少期、家庭に居場所のない主人公シャロンに、麻薬の売人フアンが救いの手を伸ばす。いじめにあって逃げていたシャロンにご飯を食べさせ、家に帰りたくないならと恋人と住む家に一晩泊める。その後も、シャロンはフアンの家を訪れるようになり、泳ぎを教えてもらうなど信頼関係を築けているように見える。だが、シャロンの母親はフアンから薬を買っていて、うまく関係を築けない。

学校に馴染めない少年期、シャロンの友人と呼べるのはケヴィンくらい。まわりからはオカマと罵られている。ケヴィンは、シャロンの悩みの相談に乗ることもなく、悩みにも気づかないタイプで、シャロンと深い信頼関係を築いているわけではない。ある晩、シャロンとケヴィンは大麻を吸った勢いで砂浜で性的な関係を持ってしまう。しばらくたった後、学校で周囲に強制されて、ケヴィンはシャロンを殴り、関係は壊されてしまう。

青年期、突然ケヴィンから電話があり、ケヴィンの勤めるレストランで久しぶりに再会することになる。ケヴィンは女性と結婚し子供をもうけたことを告げ、いつも持ち歩いている子供の写真を見せる。(ケヴィンは昔と変わらず相手の気持ちを読まない。)シャロンは自分がフアンと同じ麻薬の売人になったこと、性的な関係を持ったのはケヴィンただひとりだということを告げる。

たぶん映画の伝えたいこと

シャロンは2つの公に出来ない事柄を抱えている。麻薬の売人であることと、ゲイであるということだ。シャロンにとって、自分の本心を表に出さないことは、当たり前のことなのかもしれない。タイトルが示すように、本心を出せるのは月夜の下だけなのだろう。
誰にも本心を相談出来ないことで、シャロンは狭い世界を生きて来たように見える。ケヴィンにそれらを話して相談に乗ってもらうことでシャロンには自由に生きて欲しい。